愛犬がドッグフードを食べなくなってしまうことってありますよね。
犬がドッグフードを食べなくなる原因は様々ですが、病気やストレスのサインという場合もあるので、軽視はできません。
犬がドッグフードを食べなくなってしまう場合にはどういう原因が考えられるか、そしてどう対処すればいいか、大事な家族のために把握しておきましょう。
犬がドッグフードを食べない6つの原因
好き嫌いや飽きることもドッグフードを食べない原因に
犬がドッグフードを食べなくなった原因、理由の中でもっとも多く、そして扱いにくいのがこの理由でしょう。
飼った当時にすすめられたドッグフードをそのまま与えていたら、ふいに食べなくなってしまったということがよくあります。
犬の健康状態に問題がないことを前提として、同じドッグフードを長期間食べ続けていたことで、犬が食べ飽きたことが一番に考えられます。
また、決まったフードしか絶対に食べないという好き嫌いもよく見られます。
シニアフードや療養食の場合、製造過程で味や匂いに重点をおいていないことがあるため、そういったフードに切り替えた途端に食べなくなるケースがあります。
体調不良や口内トラブルもドッグフードを食べない原因に
犬は体調を崩すと消化機能を壊しやすい生き物なので、そうすると食欲を落としてしまいます。
何も症状が起きていなくても、食べない場合は体調が悪いのかもしれません。
程度を問わず内臓疾患を発症している場合や、軽いレベルでは口の中に違和感や痛みがあって食べることができないこともあります。
口の中が痛い場合は触ると嫌がるので判断できます。
犬も夏バテするとドッグフードを食べる食欲がなくなる
夏場や暖房の温度を上げすぎた室内で夏バテは起こりやすくなります。
夏バテや熱中症、冬の暖房による軽度脱水などが原因になってはいないでしょうか。
季節を問わず、室温は高すぎてはいませんか?
また、炎天下を歩いてきたばかりではありませんか?
気温が高いときにドッグフードを食べないとしたら、愛犬が夏バテ、暑気あたりを起こしているかもしれません。
シニア犬がドッグフードを食べない場合は老化のサイン
7歳を過ぎると犬はシニア期に突入しますが、高齢になるほど若い頃のような食欲はなくなってきます。
消化機能も落ち、歯などの口内環境も老化していくため、ドッグフードを食べることはおっくうになります。
子犬期や成犬期のような貪欲なエネルギーは徐々になくなり、ふだんの行動もおとなしくなるのがシニア期です。
食欲にもそれが表れてきます。衰えた消化機能を無視して、若い頃のような質や量を食べていると、お腹を壊しやすくなります。
高齢になってドッグフードを食べなくなっていくことは、愛犬自身が老化していく体を本能的にいたわっている自然なサインです。
ストレスもドッグフードを食べない理由に
犬の精神状態が不安定になるようなことに思い当りませんか。
飼ったばかり、旅先に来たなど、まったく違う環境に来たという大きな変化で、犬は強い緊張とストレスを感じます。
多頭飼いを始めて新手のライバルが突如テリトリーに現れた場合も、環境の変化のひとつになります
それが原因で食欲を失くし、ドッグフードを食べないということも起こります。
また信頼する飼い主さんからひどく????らてしまってショックを受けたときには、ドッグフードを食べない犬も少なくありません。
犬は大らかな生き物ですが、親しい人の態度や置かれた環境の変化に左右されてストレスをためてしまう繊細さも持ち合わせています。
満腹でドッグフードが入らない
お腹がいっぱいで満足しているために、ドッグフードを食べないこともあります。
前の食事が多すぎたことやおやつを与えすぎたこと、それに見合った運動をしていないことでの消化不良です。
適量を与えていると思っていても、犬によって個体差があり適量が違ってくることもあるのです。
気を付けなければならないのは食べ過ぎるほど食べていない、もしくはまだ食事を与えていないのにお腹が膨らんで何かを食べている形跡があり、ドッグフードを食べないときです。
誤食してしまった可能性もあります。
犬がドッグフードを食べないときの6つの対処方法
好き嫌いや飽きたときには一旦別種類に変えるかトッピングで
飽きた場合一時的に飼い主さんが譲歩するにはかまわないでしょう。
たとえば、ドッグフードを少しの間変えてやると犬も気分が変わりますし、その後一度飽きたフードに戻しても、また食べてくれる場合があります。
同じドッグフードを使う場合には、野菜などや犬用ミルクでトッピングしてやると、喜んで食べる犬が多いようです。
ただトッピングが多すぎるとドッグフードを食べなくなるので、少し味を加える程度と考えてください。
好き嫌いも、飽きたときと基本的に同じ方法を使うことで対処できることがほとんどです。
ただ犬の中には特定のドッグフードの匂いや味を極端に嫌う犬もいます。
犬には匂いが重要なので食器に入れて近づけるだけで逃げる犬さえいて、こうなるとトッピングやミルクではごまかしきれません。
特定のドッグフードが嫌いな場合は、別フードを与えましょう。
それも食べなくなれば、好き嫌いではなく飽きっぽい犬です。
延々と振り回されるのはよくありませんし、譲歩するのも少しだけ、と考えてください。
体調が悪いときは動物病院へ、ウエットでも
・お腹を壊して下痢や嘔吐がある
・体温が平均より高い
・呼吸が荒い
・触ると痛がる
など、何かの症状が出ていれば体調が悪くて食欲がなくなっているということになります。
病気に関してはすぐ受診して動物病院に任せましょう。
水分や柔らかい食事を与えていいということになれば、冷たすぎない水を十分に与え、ドッグフードを離乳期のようにぬるま湯でふやかしてあたえましょう。
それをつぶしてスプーンで与えてもかまいません。
ウエットフードのほうが食べやすそうなら、そちらを与えましょう。
病院から許可が出れば、人肌程度のお湯で十分にふやかしたドライフードに、ヤギミルクをかけて与えてやると栄養が摂れて、食欲が落ちている犬も食べやすくなります。
トッピング用のレトルトもあるのでそれを利用してもいいでしょう。
味をつけずにおじやを作るのもひとつの手です。
ただし、
・味はつけない つけても薄い天然だしを少し
・病気の間だけ
が回復後ドッグフードに戻しやすい方法です。
暑さにやられてドッグフードを食べない場合は25℃以下に
夏などの暑いシーズンや、冬でも暖房で室温が高すぎる場合に、犬がドッグフードを食べなくなることがあります。
よくエアコンを28℃設定にと言われますが、一般的な犬種は25℃を超えると暑さを感じています。寒さより暑さに弱い傾向があるのです。
飼い主さんが快適に思える室温でも実は愛犬は暑いと感じているかもしれません。
ドッグフードを食べないときに、舌を出して息を荒くしていたら、そして周囲の温度が高いと感じられたら、犬は暑気あたりで食欲を失くしている可能性が高いでしょう。
その場合はまず室温を下げて水や氷を与え、犬の体を冷やして快適にしてやり、十分な水分を含ませて与えるとよいでしょう。
トマトやキュウリという水分を含んだ夏野菜を刻んでトッピングするのも効果があるといわれています。
脱水症状に注意して、できるだけ肉や魚のスープやだしで水分を含ませたドッグフードを与えるようにしてください。
高齢でドッグフードを食べなくなったシニア犬の場合トッピングや回数を工夫して
シニア犬、つまり高齢犬、老犬です。
5歳から犬は老化が始まります。この時期にはまだ食欲の衰えを見せる犬は目立ちませんが、一般的にシニアに突入とされる7歳を過ぎると、年齢が進むにつれて食べ残したり手をつけなかったりということが起きがちです。
人間同様、消化機能が衰えるので小食になり、食べ過ぎるとお腹を壊したりする老化現象が起きています。
シニアフードは匂いや味の面で、同じメーカーの同じ種類の成犬用と比べてやや落ちます。そのせいで成犬用から切り替えたことで食べなくなる場合も少なくはありません。
このときはトッピングやスープなどで、食べやすくしてみましょう。
13歳以上のシニア犬になると、消化機能も徐々に落ちてきます。
一度の食事量が今までと同じでは消化しきれないという衰えも表れてきます。一度にドッグフードを受けつけずに食べないということが起きてきたら、一回に与えるドッグフードの量を減らして回数を増やしましょう。
ストレスでドッグフードを食べない場合は慣れた容器を用意し、褒める
犬は環境の変化に敏感で、世話をしてくれる人の顔色をうかがう生き物です。
ペットショップから買ってきたばかりの子犬が、食べ慣れているからとすすめられて買ってきたドッグフードを食べないということは、よくあるのです。
今までショップにいて、お世話をしてくれていた人が急にいなくなり、知らない人から知らない名前で呼ばれてフードをもらうことがストレスになるのです。
このケースは、犬には必要な食事と水を与えるだけで、環境の変化に慣れるまで、新しい飼い主さんはできるだけ構わずにそっと見守るだけにしておきましょう。
犬の順応性には個体差がありますが、新しいご主人が自分に好意を持って食事をくれているとわかると、お腹がすいている犬はすぐに食べるようになります。
ただ中には、あまりにストレスに弱すぎる犬もいて、体調を崩してドッグフードも受け付けない場合もあるので、体調がおかしいと思ったらすぐ受診してください。
もともと使っていた食器を変えた場合、それだけで自分の食事ではないと思って食べなくなる神経質な犬もいます。そういう性格の犬は、食器を変えるときにはふたつ同時に並べて慣らしましょう。
最近は家族旅行に犬連れで行くことが多いので、いつもと違う場所で落ち着かず、食べないということも起きやすくなっています。
この場合も、いつもと同じ環境に近づけるため、使い慣れた食器、毛布やタオル、おもちゃなどを持参しましょう。ドッグフードは喜びそうなものを数種類用意していきましょう。
そして犬が強いストレスを感じるのが、飼い主さんからの叱責を受けるときです。
そのショックは犬に大きなストレスを与え、食事をとらなくなってしまう犬もいます。
ダラダラと叱らずさっと切り上げて、あとはスキンシップに努めてください。
そして、食べるまで気長に優しい声をかけて、食べたら大げさなほどに褒めてください。
満腹でドッグフードを食べない場合は少しずつ減らすことと運動させること
満腹して食べない犬はそう珍しくはないのです。
普段の食事量が多すぎてお腹がすいていない場合は、計量カップで確かめて与えるようにしましょう。
犬が空っぽの食器をなめてまだ欲しがるぐらいでちょうどいいと思ってください。
ドッグフードの袋には一日分の目安量が書いてありますが、それでも食べきれない食が細い個体もいます。
その場合は一回分ごとに少しずつ減らして様子を見て、短時間で完食する量を愛犬の適量と覚えてください。
そして便の様子なども観察して、排便回数や状態を見るようにしましょう。
適量のドッグフードを完食できるようになると、排便の状態もよくなってきます。
また、ドッグフードの量は適量でも、おやつを与えすぎている飼い主さんを見かけることがあります。
おやつは、しつけのごほうびに、または誕生日など特別なイベントのお楽しみに、としておきましょう。
食事量以外に、運動量は不足していませんか?
犬がもっと走りたがっているのに面倒だからと家に帰ってしまう、何日も散歩に行っていない、その犬種に合った運動をさせていないなどです。
消化するほど動いていないということが原因として考えられます。
そして、普通の満腹ではなく、誤食や誤飲をしていないかを確認してください。
何か異物を食べてお腹が膨らんでいる、様子がおかしいといった場合はすぐに受診してください。
ドッグフードを食べない事態を避けるしつけの基本
守っておきたいのは、人間の食事中、おいしいからとそれを分け与えないことです。
当然ですが人間の食事はカリカリのドッグフードよりおいしく、犬にとっても格別に魅力的です。
犬の優先順位は味より匂いですが、それを上回るおいしさが人間の食事にはあります。
けれど、それは塩分や油分で構成されていますし、その味を覚えてしまったらドッグフードに戻ることは絶望的で、犬の健康を害します。
しつけの意味でも健康の意味でも、ドッグフードを食べる習慣を身につけるためにも、人間の食事は決して犬に与えないでください。
そして、おやつは少量にとどめてください。
おやつは食事として必要なものではなく、楽しみやご褒美に与えるものなので、飼い主さんがそれを必要ないと思われるなら一切与えないのがベストです。
栄養上なんの問題もないどころか、むしろメリットのほうが大きいといえます。
食事を与えるときは制限時間を決め、全然進んでいないと判断したら、時間が来たら取り上げるようにしましょう。
一口も食べなくても取り上げてかまいません。
お腹がすけば次には食べます。
餓死するまでハンストする犬はいませんし、それをすれば病気かフードが劣化して異臭がひどいかです。
丸一日ハンストして元気がなくなれば、フードの異常か体調不良を疑いましょう。
食べたら存分に褒めてください。
ただ褒められたいために体調が悪いのにそれを押し隠して食べ続けることはよくないので、食べない原因は観察した上で、健康的に食べたら褒めてください。
まとめ
ドッグフードを食べない、それは犬にとっても何か原因があるのです。
理解者である飼い主さんがそれを取り除いて、おいしく食べられるようにしてやりましょう。
愛犬が楽しくおいしくドッグフードを食べる姿を、いつまでも見ていたいですね。
そして、もしどうしても食べない場合は、自治体や獣医師による健康相談窓口などを利用してください。