犬を去勢する時期はいつ?値段・デメリットや必要・不要の判断基準も紹介

オス犬の去勢って何歳ごろにすればいいのか、また去勢に必要な費用など、飼い主さんはいろいろ悩むことが多いのではないでしょうか。

去勢のメリットやデメリット、そもそも本当に去勢をするべきなのか、知りたいことはたくさんありますね。

オス犬の去勢手術について、適切な時期や費用、メリットやデメリットなど、すべて解説します。

目次(ジャンプできます)

オス犬の去勢手術とは?そもそも何をする手術?

オス犬は生後8~10ヶ月で体が成熟します。

その頃になると子どもを作ることができるまでに、生殖器官もしっかり整ってくるのです。

子犬を望まないことを始め、後述するいろいろな理由で子どもを作れないように手術をすることを、去勢手術といいます。

皮膚を切開して精巣を摘出するという方法です。

こうすることで発情がなくなり、子どもを作る能力もなくなります。

去勢手術にかかる費用と時間

費用は病院によって、また小型犬と大型犬によって、少し差が出てきますが、15,000円~30,000円というのが一般的です。

皮膚を切開するだけで済むので、時間も長時間はかからず、30分ほどで終了します。

腹部を切開するメスの避妊手術より、手術としては簡単で、費用も安く済むことが多いと考えてください。

ペット保険に加入していても、病気や怪我ではないので、去勢手術には保険が効かないということは事前に承知しておいてくださいね。

去勢手術を受けるのに適切な時期は

生殖能力が完成して1歳を過ぎると、メスのヒート(生理)によって振りまかれるフェロモンに誘われて、オス犬も発情するようになります。

この影響をあまり受けない時期、生後6ヶ月から1歳未満の去勢がいいとされます。

あまりに早すぎると骨や関節に悪影響が出てしまいます。

健康状態や発育を、獣医さんに診断してもらって、よく相談の上で時期を決めてください。

去勢手術の流れと気をつけること

健康状態などをかかりつけの先生と相談して、手術時期を決めてください。

早すぎても遅すぎても、何かと問題が出てくるので、オス犬を迎え入れたら去勢手術を前提に、時期の相談を始めておいたほうがいいでしょう。

手術を受ける前日か当日には、術前検査を受けます。

全身麻酔をかけて問題がないかどうかが一番重要で、問診や触診だけではなく、血液検査やレントゲン検査などを受けることもあります。

全身麻酔中に食べ物が呼吸器官に逆流するのを防ぐため、当日には絶食になります。

絶飲と言われることもあるので、その場合には水も与えないでください。

術後は麻酔が覚めて先生が様子を確認し、問題がなければ日帰りか一泊で帰宅することができます。

麻酔の影響が残っている可能性があるので、術後の水や食事の与え方は、先生の指示を守ってください。

急に大量に与えると吐いてしまうことがあります。

傷口を引っかかないように、術後服やエリザベスカラーをつけて過ごすことになります。

動きが激しい犬は、傷口が開かないように注意してください。

一週間ほどで抜糸になります。

去勢手術のメリットとデメリット

 

去勢は手術を受けることになりますし、子どもを作れなくなることもあり、やっぱり簡単には決められないかもしれませんね。

去勢にはどんなメリットやデメリットがあるでしょうか。

それぞれ説明します。

去勢をするメリット

繁殖を避けられる

まず第一に、子犬を望まない場合に繁殖を避けるというメリットが大きいでしょう。

うっかりしていてよそのメス犬と交尾をしてしまい、予定外の子犬を産ませてしまうというトラブルが回避できます。

多頭飼いでオスとメスを飼っているときにも、無計画に子犬を増やさないために、去勢をしておく必要がありますね。

問題行動を抑制できる

オス犬は縄張り意識からの問題行動が多く、他の犬とケンカをしやすかったり、すぐ吠え掛かってしまったり、どこにでもむやみにマーキングをしたりという犬が多いですね。

去勢をすることで、この問題行動を抑えることができます。

発情という点でも大きなメリットがあります。

メス犬は年に2回という定期的な周期で発情期が来ますが、オス犬には決まった発情期はありません。

近くに発情期のメスがいると、それに誘われて常に発情してしまうのです。

その時に交尾ができなければ大きなストレスを感じてしまいます。

場合によっては一年中発情してその間中ストレスを溜めているオス犬もいるということですが、去勢することでそれをゼロにできます。

押す特有の病気の予防になる

オス犬特有の精巣腫瘍や前立腺肥大は、去勢をすることで、発症率が低くなります。

こういったことが愛犬にとって必要と考える方は、去勢をしたほうがいいでしょう。

去勢をするデメリット

子どもを作ることができなくなる

血統がいいのでその血筋の子を残したい、愛犬が可愛いから似た子犬が欲しい、そう思ったときに去勢済みでは子どもを得ることはできません。

繁殖の考えが少しでもある方は、ご家族や獣医さんとよく相談の上、交配をすると決定したらそれが済んでから手術を受けましょう。

麻酔のリスクがある

犬はおとなしく手術を受けることができないので、局所麻酔ではなく、全身麻酔を使います。

全身麻酔は100%安心できると断言できるものではなく、某ミュージシャンの愛犬が2歳という若い年齢で去勢手術を受けたときに麻酔の影響で死亡していますが、同様の事故はわずかながら起きています。

麻酔事故の可能性は低いものですし、去勢しないことで発症のリスクが高まる病気での死亡率も怖いですよね。どちらを安心と考えるかは難しいかもしれませんが、このことで悩む飼い主さんは少なくありません。

ただ去勢しないことが一因で腫瘍ができた場合に手術をすることになれば、そのときにはもっと高齢になって全身麻酔を使うことになります。

太りやすくなる

去勢した犬は去勢前に比べて太りやすくなるので、あまり高カロリーなフードはおすすめできません。

以下のページで栄養価が高くて低カロリーなフードをご紹介しています。

⇒ 低カロリードッグフードランキング!肥満が気になる犬(去勢避妊済も)

去勢後のオス犬には、高い栄養価で低カロリーのフードを与え、適切な運動をさせて肥満を防いでください。

去勢手術後に性格が変わるかどうか

去勢手術を受けると性格が変わると言われます。

穏やかになって甘えん坊になる犬が多いですね。

これは縄張り意識が減って、ボス争いをする必要がなくなることが理由です。

逆に攻撃的になる犬もいます。

理由としては、ホルモンの影響を受けなくなることや、去勢をしていないオスが一番という性別での順位付けからランク落ちしてしまったことで、臆病になってしまう犬がいて、そういった犬が自分を保護する行動に出るからです。

去勢が必要か不要かを考えてみる

去勢していないオス犬は発情中のメスが近くにいると、いつも発情状態にあるので、交尾できないストレスにさらされることになります。

本能のままに交尾をさせるわけではないのなら、去勢を考えたほうが、愛犬のストレスにならないという点では良いでしょう。

そのことで防げる病気が多いという良さもあります。

また交配についても、特にフレンチブルドッグやパグなどの短吻種(たんふんしゅ)犬などは、お相手であるメス犬の出産に危険が伴うため、個人の繁殖はすすめられていません。

そういった犬種のオスの飼い主さんは、より去勢を考えられたほうがいいのではないでしょうか。

交配に関してオスにはほぼリスクはありませんが、犬の妊娠出産は人間が思っているほど軽くはないので、相手の犬であるメスには大きなリスクがあります。

できれば、メス犬を飼っている方の、そういう事情も考えてあげてくださいね。

そしてメスを労わることで、交尾もできずに発情のストレスで年中イライラする愛犬を放置するよりは、やはり去勢をおすすめしたいところです。

近づけなければ交尾もせず、子どもはできないからいいだろう・・・ではないのです。

オス犬は目の前にフェロモンを出しているメス犬がいると、激しく発情して、ストレスを増大させているのです。

メス犬のように時期が来れば治まるのではないので、それが可哀そうだと感じるなら、去勢してあげてください。

ただ、やはり全身麻酔のリスクはゼロではありません。

子犬を残したいという願望を飼い主さんがお持ちなら、それを否定することもできません。

最後の判断は、飼い主さんに任せられるものです。

獣医さんと相談の上で、去勢するかしないかを、後悔のないように慎重に決めてくださいね。